デザインについて考える(シンガポール②)

※20 歳未満の⽅の飲酒は法律で禁⽌されています。

ビールのラベルデザインは世界中にいったい何種類あるのかもはやだれにもわからないだろうと思うけれど、そのどれもが美しく、ユニークで魅⼒的だ。⼀刻も早く栓を開けて中⾝を飲み⼲してしまう前に、今は冷静になってタイガービールのパッケージデザインを⾒つめてみたい。

パッケージ素材はボトル口部分に銀紙、胴の部分に紙のラベルが貼られている。そしてもちろん、ガラス。剥かれた銀紙はかっちょいいし、使われる素材はどれも中⾝がどれくらい冷たいかを暗⽰してくれるし(真夏の太陽の下、キンキンに冷えた⾦属に唇を当てるなんて想像しただけでも最高に気持ちがよさそうだ)、ビール自体が手軽な飲み物だという事を教えてくれる。
綿や石、動物の毛皮などで包まれたビールがあれば、それはまた別の印象を私達に与えてくれるかもしれない。

さらにボトル自体を⼀つのパッケージとみれば、胴に貼られたエンブレムのようなラベルが、実は下向きの矢じりの様に配置されており、瓶首からボトル底部へと続くデザイン全体が、ひし形を描いているように⾒えてくる。

ちょうど机の上に⽴てられた独楽のように不安定だ。

そして、その不安定な形状の真ん中にレイアウトされているのが、もっとも大きく、もっとも⽬⽴つ⾊で描かれるTaiger の文字とトラの絵だ。

不安定な形状は手で持って⽀えなければいけない。だから手がおのずとボトルを握ってしまう。まさに握りたくなるように計算しつくされた、素晴らしいパッケージデザイン。

ビールを飲んだのはここではないけれど、このようなホーカーがいたるところに点在している。ビジネスマンから学生からお年寄りまで、⾷事をしたり新聞を読みながらコーヒーを飲んだりしてのんびり過ごしている。

ホッケン・ミーと呼ばれる海鮮焼きそばのようなもの。麺が3センチくらいに切ってあるので、箸ではなくプラスチックのレンゲを使って⾷べる。味は、海鮮焼きそばで汁多め。