5. 書類編について前回に引き続き話していきます。
(前回までの記事はこちら→1 調査編, 2 商談編, 3 契約編, 4商品手配編)
今回は、輸出で必要な書類の準備について説明します。
一番最初の調査編でも少し触れましたが、輸出の際はいくつかの通関用の書類を用意する必要があります。
代表的なものですと、インボイス(商品の値段が記載されたもの)やパッキングリスト(重量や体積が記載されたもの)などになります。
日本での輸出通関と輸入者側の通関では共通して提出するものもありますし、現地輸入時にのみ必要な書類もあります。
書類の準備においてゴールとなるのが、通称B/Lと呼ばれる書類を発行してもらうことです。
船会社が出港日に発行する船荷証券(ふなにしょうけん)であり、通称B/L(正式にはBill of Lading)と呼ばれるものが、輸出・輸入問わず貿易で最も大事な書類です。
B/Lは、パッケージ数や重量などコンテナの中身を要約して記載した書類となり、それを見ればコンテナに何がどれだけ積み込まれているのかわかるようになっています。
また、荷物の所有権をあらわす有価証券(証明書としての機能)であるため、紛失した場合輸入者はコンテナを受け取ることができなくなります。そのままコンテナが返送されてきた場合でも、B/Lがなければ輸出者ですらコンテナを開けることはできません。
書類の提出締切日(コンテナの搬入締切日と同じであることが多い)までに、”B/Lを発行するために”必要な書類を準備するというのが基本的な理解です。
B/Lが目標(ゴール)とすると、通関業者・船会社に「このコンテナの中にはこういうものが入っています」とわかりやすく補足説明するために用意するのが他の書類の目的です。
例えば、B/L上に商品ジャンルとしてキャンディと記載されている場合について考えます。
キャンディといってもいくつかの種類が想像できるかと思います。
その時インボイスとパッキングリストで具体的にどういう種類でどのくらいの量か提示することができます。
これらの提出書類を見て船会社はB/Lを作成していきます。
また、商品仕向地のよっては、お客様より原産地証明や放射線証明などの取得依頼を受けることもあります。
これらはどちらかというと輸入時の審査通過のための書類であり、免税や検査免除などの目的があります。
ゴールと目的が理解できれば(手間はかかりますが)書類の用意はまったく難しくありません。輸入者側と規制や必要書類の有無などについて事前に打ち合わせし、通関提出書類を用意していけば問題になることは少ないでしょう。
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