「そうだ、輸出しよう」と思ったら(商品手配編)

今回は商品手配編として、商品準備からバンニング(荷物の積み込み作業)の詳細について説明します。

(前回までの記事はこちら→1 調査編, 2 商談編, 3 契約編)

 

前回の契約編でも説明しましたが、FOB取引の場合、日本の出発港まで荷物を持っていくのは輸出者側の責任となります。お客様より注文が入ったら商品を積み込むコンテナを手配するところから、港での通関審査用の書類作成、通関依頼までの業務を行います。

 

港にあるコンテナ・ヤード(コンテナ置き場)では、出航予定のコンテナ船ごとに荷物の受け入れ締切日(カット日と呼びます)が設けられており、その日までに主に次の2つのタスクが完了するよう、並行して作業を進めていきます。

①商品の手配と積み込み、国内輸送(コンテナヤードまで)

②輸出書類の提出

 

今回は2つのうち①荷物の手配について説明致します。

 

船会社に定期コンテナ船のスケジュールを確認し、メーカー様と製造スケジュールについて打ち合わせ、コンテナ積込日を決めます。

 

積み込み日までに商品を「あとは現地の売り場に並べるだけ」という状態にしていきますが、そのための重要な作業として、商品ラベルの作成・貼付けがあります。

原材料の翻訳や輸入禁止原材料が入っていないかの再確認、成分表の設定など各国のルールに従ってラベルを作成していきます。

 

例えばアメリカでは、生活習慣病などを予防するために1日あたりの摂取量をラベルに表示することが必須となっています。日本では問題とならない成分でも、基本的な摂取量が違うと(大量摂取等により)人体に悪影響が出る可能性があるため、政府が制限を呼びかけています。

 

積込についても注意点がいくつかあります。

 

コンテナは輸送中、海上で日に晒され続けるため高温になりやすく、チョコレートや半生菓子など溶けやすく劣化しやすい商品を輸出するにあたっては、費用は高くなりますが冷蔵機能を有するコンテナを使用する場合もあります。

8月の一番暑い時期に冷蔵設備なしにチョコレートを出荷し、現地に着いた時点で溶けてしまい全て廃棄処分となった場合、残念ながら輸送保険が適用される可能性は低いでしょう。輸出者によっては、ドライコンテナ内壁に発泡スチロールの板を貼り付けるなど工夫をしているところもあります。

 

また移動時の荷崩れが原因でデバンニング(荷下ろし作業)する倉庫作業員に危険が及ぶことのないよう、荷物を積込する際にも注意しなくてはなりません。

 

お客様に安心してご購入いただき、現地消費者の方々に手軽に日本旅行気分を味わって頂いたり、家庭での新しい定番食として楽しんでいただいたりと、海外のお客様に日本の食品を手段として様々な楽しみ方を提供していけるよう、日々業務にあたっています。

 

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